■不登校を経験された方へ

 毎年、本学園に入学してくる生徒の半数以上が、中学校時代に不登校を経験しています。期間はさまざまですが、平均すると中学1年生ごろから学校に通えなくなった生徒が一番多いようです。不思議なことに、そうした不登校を経験した生徒の本校での出席率は、他の理由による入学者の出席率よりも高くなっています。理由は、我々教員にもよく分からないのですが、「職員室がない」「ゆとりのあるスケジュール」「カウンセラーの存在」などが、一因にはあるようです。

中学校時代の平均出席率 :60.3%(過去5年平均)
本学園入学後の平均出席率:93.6%(過去5年平均)

<職員室がない>
 小学校までは、担任の先生はほとんど教室にいましたよね。でも、中学校になると教科別の先生になるため、教室に先生がいない時間が多くなります。すると生徒たちだけで生活し、先生の目の行き届かない時間も増えてしまいます。そこで、本学園では「職員室」をなくしてしまいました。
 校舎に入るとフリースペースと生徒が呼ぶ大きな空間があり、そこに先生たちの机や生徒のラウンジ用テーブルが置いてあります。その空間を中心に周囲に教室が配置してあるのです。このような環境にしたのは、次のよう理由からです。

☆いじめなどが起こりにくいから
☆生徒が先生に気軽に話しかけられるから
☆生徒の様子の変化がすぐ分かるから


 いつも同じ空間で「家族のように過ごしてほしい」。そんな願いから、学園創設以来ずっと「職員室がない」環境にこだわり続けています。

 また、本学園では、専任教員と生徒の比率は1:10以下と決めています。どんなに生徒が増えても教員1人に生徒10人までという比率は守って学校を運営しています。また、教員の構成も20代~50代まで、各年代ともバランスよく配置しています。また、1クラスの人数は最大20名程度としています。適度な人数を保つことが、人間関係を作るうえでも、教員が指導していく上でも大切だと考えています。

<ゆとりのあるスケジュール>
 本学園では、1学期と2学期のちょうど真ん中に1週間前後のお休み(ターム休み)があります。そのため、1年間が5つの期間(ターム)に分けられているのです。では、それはなぜなのか?
 
心と体をリフレッシュしてほしいから(ちょうど疲れがたまる時期、季節の変わり目にあります)
目標が近い方が頑張りやすいから(スモールステップの積み重ねが大切です)

 こんな理由から5ターム制を導入しています。頑張る期間と休養する期間のメリハリをつけることで、継続的に(途中であきらめることなく)無理なく登校できます。 また、長期休み(夏休み・冬休み・春休み)明けは、いつも「水曜日」から始まります。長期休み明けに月曜から始まると憂うつになりますよね。最初の3日間は、長期休み中に崩れた生活リズムをもとに戻すためのリハビリ期間と考えています。無理なく自然に、いつもの生活リズムに戻れるような仕組みになっているのです。

<カウンセリング>
 3年間あれば、必ず心の浮き沈みはあります。上手くいかないことにいらだったり、人間関係に悩んだり、将来の不安がおそって来たり。そうした時には、クラスや教科の先生たちはもちろんのこと、他にも2名のカウンセラー(常駐)が生徒のみなさんに寄り添います。また、必要に応じて、心理検査を実施したり、医療機関のご紹介・連携なども可能です。

〔参考〕本学園で実施できる心理検査
・YG性格検査・内田クレペリン検査・SCT(文章完成法テスト)・バウムテスト・P-Fスタディ(絵画欲求不満テスト)・エゴグラム(新版TEG-Ⅱ)・ベック抑うつ質問票・CMI健康調査票・自己効力感尺度・ストレス反応尺度 など

 他にも、さまざまな心配事があるかと思います。特に勉強に関する不安が大きいようですが、本校では「基礎講座」という時間があり、小中学校の既習範囲で抜けてしまった部分を復習できるようになっていますので、心配はしなくて大丈夫です。また、友達作りに関しても、入学前の「プレ入学」や、入学式翌日に行う「新入生歓迎オリエンテーション」で、ぴったりと教員がくっついて友達作りのお手伝いをしますので、安心して高校生活のスタートが切れると思います。どうしても、集団が苦手な方には「個別指導クラス」も設置しています。
 その他、不安なこと、心配なことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

  • 入学オリエンテーション1
  • 入学オリエンテーション2
  • 入学オリエンテーション3


パソコン用の画像 スマートフォン用の画像
^